コーヒー愛好家の間では、コストコで販売されているコーヒー豆の評判は、正直なところ、あまり芳しくありません。その詳しい理由と、ご家庭でさらにおいしくコーヒーを飲むための秘訣を、コーヒーのプロの視点から解説していきます。
コストコのコーヒー豆が
まずいといわれる理由
コストコのコーヒー豆の評判が芳しくない理由を5点解説します。
焙煎した日が不明確
コーヒー豆の味わいを左右するのは、焙煎からの鮮度です。鮮度が良い豆ほど、豊かな風味や香りが楽しめます。
しかし、コストコで販売されている多くのコーヒー豆には、重要な情報である焙煎日の記載がありません。焙煎日が不明であるということは、焙煎されてからかなりの時間が経過している可能性を否定できません。
また、国外メーカーが焙煎を行っているコーヒー豆は、仕入れた段階で、焙煎から長時間が経過しており、「新鮮」とはほど遠い状態です。
コーヒー豆を選ぶ際に、産地や品種、メーカーなどを丁寧に吟味することは大切です。しかし、どれほど丁寧に選んだとしても、焙煎後の時間が長く経過していれば、本来持っているはずの風味の豊かさを十分に期待することは難しいと言えます。
表記の焙煎度合いと
実際の焙煎度合いが異なる
コーヒーの味わいを決定づける要素の一つに、焙煎の深さ（焙煎度合い）があります。焙煎が浅い豆は酸味が際立ち、焙煎が深くなるにつれて苦味が強くなる傾向があります。多くのコーヒー豆のパッケージには、この焙煎度合いが記載されています。
この焙煎度合いの表記には、国内外で基準の不一致が見られるのが現状です。「ミディアムロースト」と表記されていても、実際には焙煎が非常に深く苦味が強かったり、「中深煎り」と記載されていながら、マイルドな味を想像したら予想以上に焙煎が浅く強い酸味を感じる、という事例が発生します。
このように、消費者が想像していた味と実際の味わいが大きく乖離することで、「美味しくない」という評価につながってしまうことがあります。特に、コストコのような海外製品を扱う場所では、表記と中身の認識のズレが、評判に影響を与える要因となっています。
コーヒー専門店で
焙煎されていない
”焙煎”は、コーヒーの味わいを大きく左右する重要な工程です。コーヒーを専門としない企業が大量生産を行う場合、味わいが低下するケースが見受けられます。これは、大量に焙煎することによる品質管理の難しさが原因の一つです。
また、生産国や品種といったコーヒー豆が持つ本来の特徴を十分に考慮せずに焙煎されると、その豆の個性を引き出すことができません。結果として、コーヒーの特徴が生かされない、画一的な製品になってしまうのです。大量焙煎の過程で、それぞれの豆が持つ最適な焙煎度合いや時間が無視されてしまうため、本来のポテンシャルが失われてしまいます。
コーヒー豆の品種について
詳細が分からない
コーヒーの品種に関する詳細な説明が不足している場合、そのコーヒーがどのような味わいを持つのかを把握するのは困難です。そもそもコーヒーの品種が不明瞭であることは、コーヒー豆の品質そのものが不確かであることと同義と捉えられます。
品種情報が欠落していると、品質の評価や期待される風味の予測ができなくなります。これは、結果として消費者がコーヒーをおいしく楽しむ上での大きな障害となります。提供される情報が少ないために、好みに合うコーヒーを選ぶことが難しくなるからです。
消費スピードと
内容量が合っていない
コーヒー豆は、鮮度が非常に重要であり、購入後はできるだけ早く消費しきることが肝要です。そのため、ご自身がどのくらいのペースで、どの程度の量を消費するのかを事前に把握することが大切になります。
コストコでは、大容量で格安のコーヒー豆が販売されているため、内容量によっては設定した期間内で消費しきることが難しいケースも考えられます。
もし消費しきれずに時間が経ってしまうと、コーヒー豆の酸化が進んでしまいます。酸化はコーヒー豆の風味を著しく損ない、結果として購入した時点のおいしさを味わえない「おいしくないコーヒー」になってしまうのです。
コストコのコーヒー豆の特徴
コストコで販売されているコーヒー豆の最大の魅力は、その大容量と低価格にあります。これは、日常的に多くのコーヒーを消費する方々にとって、非常に大きなメリットとなります。特に、風味の繊細さよりも、量を重視して頻繁にコーヒーを飲む習慣がある方には最適です。
さらに、オフィスなどで大勢の人にコーヒーを振る舞う場合にも、コストコのコーヒー豆はうってつけの選択肢となります。大量に購入できるため、コストパフォーマンスに優れているからです。
また、コストコでは一つのメーカーに限定されず、多種多様なメーカーのコーヒー豆が豊富にラインナップされています。これにより、購入者は様々な選択肢の中から、自分の好みに合った豆を見つけ出すことができるという特徴も持ち合わせています。
コストコでおすすめの
コーヒー豆
コストコでは大容量でお得な価格のコーヒー豆が豊富に揃っており、どれを選ぶべきか迷うこともあります。
そこで今回は、特におすすめできるコーヒー豆を3種類厳選してご紹介します。
- カークランド スターバックスハウスブレンド
- 山本珈琲館ヨーロピアンブレンド
- ザビダ ヘーゼルナッツ バニラホールビーン
カークランド
スターバックスハウスブレンド
カークランドシグネチャーの「スターバックスハウスブレンド」は、コストコが展開するプライベートブランドの製品です。これはスターバックスが特別に焙煎し、提供しているコーヒー豆になります。
ローストレベルはミディアムローストに分類されますが、スターバックスの伝統的な焙煎方法により、深煎りのような濃くスモーキーな特徴も持ち合わせています。使用されている豆は100%アラビカ豆で、主にラテンアメリカ産のものがベースです。
その味わいは、トフィーとココアを思わせる風味が特徴的です。アロマ、ボディ、フレーバーのバランスが取れた、飲みやすいブレンドに仕上がっています。
このブレンドは、スターバックスが1971年の創業当初から提供してきた、まさに同社の原点とも呼べるコーヒーです。スターバックスの本格的な味わいを、コストコならではの手頃な価格で楽しめる点が最大の魅力と言えます。手軽に日々のコーヒーを楽しみたい方に適した製品です。
山本珈琲館
ヨーロピアンブレンド
山本珈琲館ヨーロピアンブレンドは、日本の老舗コーヒー専門メーカーである山本珈琲が製造するブレンドコーヒーです。コンセプトは、昭和の時代から続く古き良き「純喫茶」の味わいを再現することにあります。
このブレンドは、深煎り、具体的にはフレンチローストやイタリアンローストに相当する焙煎度で仕上げられています。味わいの特徴としては、濃厚なコクと強い苦味が前面に出ており、酸味は控えめです。香ばしさとともにほのかな甘い香りが感じられ、後味はスッキリとした切れ味があります。
豆の構成は、コロンビアやブラジルなどの厳選されたコーヒー豆を使用しています。熟練の「珈琲鑑定士」が選び抜いた生豆と、「熟練の焙煎職人」による熱風焙煎製法によって、その深い味わいが生み出されています。
また、コストコでは一般的に1kgの大容量で販売されています。その圧倒的なコストパフォーマンスの良さから、「濃いコーヒー好き」を中心に高い評価を得ている製品です。本格的な深煎りコーヒーを手軽に楽しめることが、多くの愛飲者に支持される理由となっています。
ザビダ
ヘーゼルナッツ
バニラホールビーン
ザビダコーヒーロースターズは、1980年からカナダで焙煎を行う老舗です。その製品の一つである「ザビダ ヘーゼルナッツ バニラホールビーン」は、アラビカ種の豆を使用したフレーバーコーヒーです。
この商品は、豆のままのホールビーンタイプで、ローストレベルはミディアムローストに設定されています。最大の特長は、その豊かなフレーバーにあります。トーストしたヘーゼルナッツとフレンチバニラの風味が加えられており、口当たりはスムーズで豊か、バターのような深い味わいが楽しめます。
また、甘い香りが強いため、コーヒーの風味を楽しみながらも砂糖の量を減らせると、消費者から高い評価を得ています。さらに、ザビダコーヒーの製品には、レインフォレスト・アライアンス認証を受けているものもあり、持続可能なコーヒー豆の調達にも配慮していることがわかります。
カナダの確かな技術と環境への配慮から生まれたこのフレーバーコーヒーは、上質なひとときを演出します。その豊かな香りと味わいは、日々のコーヒータイムを特別なものにしてくれるでしょう。
コストコよりも
美味しいコーヒー豆を
購入する方法
・生産地や品種が明示されているお店で購入する
生産されている国やエリアが明記されていて、かつ品種が明記されていれば、コーヒー豆の品質を見分けることができます。
・焙煎度合い味の傾向の説明があるお店で購入する
コーヒーの味わいは、焙煎度合いで決まるため、どのような焙煎をしているか、明記しているお店であれば、好みにあったコーヒー豆を購入することができます。
・注文ごとに焙煎を行うお店で購入する
焙煎からの時間経過が短い「新鮮」なコーヒー豆が購入できます。コーヒー豆の「新鮮さ」がコーヒーの飲み心地や風味、豊かな香りに直結するため、一番おすすめの方法です。
最近、定期的に
コーヒーを購入し始めた人に
おすすめ
コストコのコーヒー豆を飲んで、もっと美味しくて香りが豊かなコーヒーを飲んでみたくなった方へ。おすすめのコーヒー銘柄を3点ご紹介します。
注文ごとに焙煎をするオンラインショップです。最短で、ご注文後即日発送！
さわやかな味わいが好きな人は
「タンザニア産スノートップ」
この銘柄の魅力は、澄み切った味わいがもたらす「クリアな飲み心地」と「上品な酸と香り」の二点に集約されます。
ウォッシュド精製による雑味のない清涼感は、飲んだ後に嫌な重さが残らず、朝の目覚めや気分をリセットしたい時に最適です。
酸味は酸化した「すっぱさ」ではなく、柑橘や赤ワインのような華やかで優しいさわやかさであり、後からミルクチョコレートのような甘みと芳醇なコクがバランス良く追いかけてきます。https://cbd.oritie.jp/product/tanzania-snow-top
マイルドで
飲みやすいコーヒーが好きな人は
「コロンビア産クレオパトラ」
この銘柄の最大の魅力は、すべてが調和したバランスの良さです。
マイルドで雑味がなく、軽い口当たりで飲みやすいのが特長です。苦味も優しく、酸味が苦手な方にもお勧めできます。
レモンやオレンジ、グレープフルーツのような良質なシトラス系のフルーティさが心地よいリフレッシュ感を与えます。
甘味とコクも持ち合わせているため、ベイクドチーズケーキやショートケーキなどのスイーツはもちろん、ザラメせんべいやヘーゼルナッツクッキーなどのフードペアリングにも最適です。
コロンビア「クレオパトラ」は、どんなシーンでも、どんな時間帯でも、安心して選べる「間違いない」コーヒーです。
https://cbd.oritie.jp/product/columbia-cleopatra
しっかり苦い味わいが好きな人は
「インドネシア産
ゴールデンマンデリン」
このコーヒーは冷めても甘く、ベルベットのような重厚なコクと至高の余韻を提供します。
濃厚で力強いボディと、時間とともに深まる甘さが特長です。一口飲むと、なめらかな質感と複雑に絡み合う風味が口いっぱいに広がり、その重厚なボディは非常に力強いです。
甘味は黒糖やキャラメル、バニラを思わせる濃厚さがあり、特に冷めた時の甘味が長く続く余韻を生み出します。主要な風味にはビターチョコレート、ハーブ、ウォルナッツといった深く落ち着いたフレーバーが含まれます。
https://cbd.oritie.jp/product/indonesia-golden-mandolin
